9月に入り、いよいよ運動会シーズンが近づいてきました。
「運動会まであと少ししかないけど、今から練習しても意味はある?」
「子どもの走り方を見ていると、なんとなくフォームが気になる」
「少しでも速く走れるようにしてあげたい」
この時期になると、このようなご相談が増えてきます。
走る力は長期間のトレーニングによって身につけていくことが大切ですが、運動会直前でも走り方の基本を見直すことはできます。
特に小学生の場合、難しいトレーニングをたくさん行うよりも、まずは「スタート」「姿勢」「腕振り」といった走り方の基本を確認することが大切です。
今回は、運動会に向けて小学生が見直しておきたい3つのポイントと、ご家庭でもできる簡単な練習方法をご紹介します。
1.スタートは「最初の一歩」を意識しよう
運動会のかけっこでは、スタートがとても重要です。
特に50m走などの短い距離では、スタートで大きく出遅れてしまうと、その差を後半だけで取り戻すのは簡単ではありません。
一方で、小学生のスタートを見ていると、
「よーい」で身体が起きている
最初の一歩が小さい
合図を聞いてからゆっくり動き始める
といった走り方もよく見られます。
スタートで大切なのは前へ進むこと
スタート直後から、いきなり身体を真っすぐ起こして走る必要はありません。
最初は少し前方向への意識を持ち、地面を押して前へ進んでいく感覚を身につけていきましょう。
「足を速く動かさないと!」と考えすぎると、身体だけが忙しく動いて、思ったほど前に進まないこともあります。
家でできるスタート練習
5〜10m程度の短い距離を使って、
「位置について、よーい、ドン!」
の合図でスタートする練習をしてみましょう。
長い距離を何本も全力で走る必要はありません。
最初の3〜5歩でしっかり前へ進めているかを意識して、短い距離を数本行うだけでもスタートの確認になります。
2.速く走ろうとして姿勢を崩さない
「もっと速く!」
と言われると、子どもは一生懸命走ろうとして、必要以上に力が入ってしまうことがあります。
例えば、
・上半身が大きく後ろに反る
・顔が上を向く
・身体が左右に大きく揺れる
・肩に力が入りすぎる
このような走り方です。
速く走るためには、ただ全身に力を入れればいいわけではありません。
身体を前へ進めやすい姿勢をつくる
走っているときに身体が左右へ大きく揺れてしまうと、前へ進むために使いたい力が別の方向へ逃げてしまいます。
まずは、身体を安定させながら前へ進むことを意識してみましょう。
子どもに伝える場合は、
「身体を真っすぐにして走ろう」
「前を見て走ろう」
など、できるだけシンプルな言葉がおすすめです。
細かいフォームを一度に何個も直そうとすると、かえって走りにくくなってしまいます。
3.腕をしっかり振る
運動会前にぜひ確認してほしいのが「腕振り」です。
子どもの走り方を見ると、
・腕がほとんど動いていない
・肘が伸びたまま振っている
・腕が身体の前で左右に動いている
・肩に力が入りすぎている
といったケースがあります。
腕振りは、走るリズムをつくり、脚の動きと連動して身体を前へ進めるためにも大切です。
「後ろに振る」を意識してみよう
腕振りを教えるときに、
「もっと速く腕を振って!」
だけでは、子どもには意外と伝わりにくいものです。
まずは肘を曲げた状態で、腕を前後に動かすことから練習してみましょう。
その際、身体の前だけで小さく動かすのではなく、後ろ方向にも腕を動かす意識を持たせます。
立った状態で腕振りだけを10〜20回行ってから、その感覚のまま短い距離を走ってみるのもおすすめです。
運動会直前にやりすぎるのは逆効果
運動会が近づいてくると、
「あと1週間しかないから毎日走らせよう!」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、直前に急激に練習量を増やすことはおすすめしません。
特に暑さが残る時期は、疲労や熱中症にも注意が必要です。
運動会直前は長時間走り込むより、
スタートを数本確認する
↓
姿勢を確認する
↓
腕振りを確認する
↓
短い距離を気持ちよく走る
くらいでも十分です。
また、一度の練習で「スタートも、腕振りも、足の動きも、姿勢も……」と全部修正しようとしないことも大切です。
まずは、その子にとって改善しやすいポイントを1つずつ練習していきましょう。
動画を撮って走り方を確認するのもおすすめ
ご家庭で練習するときは、スマートフォンで走っている姿を撮影してみてください。
本人は「ちゃんと腕を振っている」と思っていても、動画を見ると意外と振れていないことがあります。
逆に、保護者から見ると気になっていた部分でも、動画で確認するとそれほど大きな問題ではない場合もあります。
感覚だけで判断するのではなく、実際の走りを見ながら、
「今日は腕振りを意識してみよう」
など、改善するポイントを絞ると練習しやすくなります。
運動会直前だからこそ「基礎」を大切に
運動会まで時間がないからといって、特別なトレーニングをたくさん取り入れる必要はありません。
まず確認してほしいのは、
①スタート
②走るときの姿勢
③腕振り
という走り方の基本です。
もちろん、数回練習しただけで必ず足が速くなるわけではありません。
しかし、自分の走り方を知り、基本的な身体の使い方を練習することは、今後スポーツに取り組んでいくうえでも大切です。
そして何より、運動会では「失敗しないように」と考えすぎるのではなく、子どもたちには思い切って走ってほしいと思います。
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