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スタートダッシュの基本|クラウチングスタートの「方法」と「コツ」

短距離走の要はスタートダッシュ。とくにクラウチングスタートは、正しい手順と姿勢を身につけるだけで反応の速さ・加速の鋭さが大きく変わります。小学生でも実践しやすい形で、方法とコツを整理しました。

クラウチングスタートの方法(手順)

  1. ブロックをセット
    前足ブロック:スタートラインから約2足/後足ブロック:さらに1足うしろ。前足は利き足に置くのが一般的。
  2. オン・ユア・マーク(On your marks)
    手は肩幅よりやや広く、指は「C」の形で軽く接地。頭と背中は一直線、目線は斜め前。肩の位置が手のひらの真上もしくは前に来るように。
  3. セット(Set)
    腰を肩よりやや高く、重心は前へ。体全体に「静かな緊張」をつくる。
  4. ゴー(Go!)
    前足で強く蹴り、後足を素早く前に持ってくる。腕は大きく素早く振り、低い姿勢のまま前へ飛び出す。

スタートダッシュのコツ(フォームの要点)

  • 重心は常に前へ:腰が後ろに残ると出遅れの原因。体重を前方に預ける意識。
  • 低い姿勢をキープ:3〜5歩は低いまま加速へ。早く起き上がるとスピードに乗りにくい。
  • 腕振りでリズムと推進力:肘を後方に強く引き、素早く前へ。腕が足を“連れていく”感覚で。
  • 接地は母指球:かかと接地は減速。足裏の前半部で素早く押して離れる。
  • 視線は近すぎない:1〜2m先をみて、首・背中と骨盤を一直線に。

よくあるミスと修正ポイント

  • set時に腰が低すぎる:スタートしてから腰が低くなり体が浮く→腰をしっかりあげて走る際の腰の高さあたりまで上げるように。
  • 腕が小さい/遅い:推進力がでない → 肘を後ろに強く引き、前方へ素早く振り出す。肩をすくめない。
  • 初動で上体を起こす:加速が続かない → 5〜7歩かけて徐々に起きる。脚の回転と腕振りの同期を意識。
  • 足が流れる(接地が遠い):ブレーキになる → 体の真下に素早く接地、「短い接地・強い押し」を徹底。

練習メニュー例(小学生向け)

  • リアクションダッシュ:合図で5〜10m×6本(フォーム最優先)
  • 3歩出し→5歩出し:低い姿勢を保って出て止まる×各4本(姿勢の再現)
  • 30m加速走:3〜4本(前半は低く、後半で自然に起きる)
  • 流し60〜80m:2本(仕上げにフォーム確認/全力は不要)

まとめ

クラウチングスタートは、「構え → セット → 飛び出し」の3段階を丁寧に積み上げることが上達の近道。重心の位置・低い姿勢・腕振り・接地位置の4点をそろえれば、スタートで自然と前へ進む力が生まれます。毎回の練習で基礎を確認し、実戦のダッシュへつなげていきましょう。


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【代表コーチプロフィール】

吉見 侑真(Yuma Yoshimi)
中学時代に陸上競技を始め、高校卒業後、鍼灸師を目指して森ノ宮医療大学に進学。
在学中より陸上・テニス・アメフト・サッカーなど多種目のトレーナー活動に従事。

トレーナー・研究団体『HUREC』にて、先天的な身体連動性に着目した動作調整技術を習得。
東洋・西洋医学を融合させた鍼灸施術と連動性トレーニングを組み合わせ、これまで延べ500人以上のアスリートをサポート。

現在もトレーナーおよび陸上コーチとして活動中。


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